イネ穀粒における心白発現と粒重との関係

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1. 大粒で心白発現率の高い酒米4品種(山田錦, 野条穂, 兵系酒18号および伊勢錦722号)と, 小粒で心白発現率の低い食用米2品種(朝日および千本旭)を用いて, 玄米1粒重と同一粒重に属する玄米の心白発現率(粒重別心白発現率)との関係を調べた。酒米品種はいずれも, 玄米1粒重が増加すると粒重別心白発現率も直線的に高くなり, 両形質間の回帰定数と回帰係数には品種間で大差がみられなかった。一方, 食用米品種では, 粒重の増加に伴って粒重別心白発現率が高くなる場合でも, その程度は小さく, 酒米品種の同じ粒重の玄米と比較しても, 一般に心白発現率は低かった。2. 山田錦, 兵系酒18号および千本旭を, 種々の窒素施用量のもとで栽培し, 玄米1粒重と粒重別心白発現率との関係をみた。酒米品種では, 同一品種内同一粒重の玄米を比較しても, 窒素施用量が異なると粒重別心白発現率も異なった。千本旭では, いずれの窒素施用量においても, 粒重が増したときの粒重別心白発現率の上昇程度は酒米品種より小さかった。3. 千本旭×兵系酒18号と伊勢錦722号×千本旭のF_2種子を用いて, 玄米1粒重と粒重別心白発現率との関係をみたところ, 同一粒重の玄米で比較すると, F_2種子の心白発現率は, 心白発現率の高い酒米品種に近い値を示した。
神戸大学の論文

イネ穀粒における心白発現と粒重との関係

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