矮性稲の特性と分類 : IV 鞘葉長, 第 2 葉鞘長および籾の大きさと成熟器官の長さとの関係(園芸農学)
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概要
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大黒型矮性稲, その他の矮性稲, 正常稲および巨大稲を用いて, 鞘葉長, 第2葉鞘長および籾の大きさを調べ, これと稈長など成熟器官の長さとの関係をみることによって, これらの形質に及ぼす矮性遺伝子の作用を明らかにしようと試みた。出穂までの日数と鞘葉長, 第2葉鞘長との間には一般に有意な負の相関が認められたが, これを考慮に入れると, 全品種・系統ではこれら2形質と稈長, 穂長および上位の節間長との間に有意な正の相関があり, 矮性稲は鞘葉, 第2葉鞘が正常稲より短かい傾向がみられた。しかし鞘葉長では遺伝率がやや小さく, また稈長などとの相関も高くないことから, 多くの矮性遺伝子の作用はまだこの器官では弱いものと推察された。一方第2葉鞘長では稈長などとの相関および遺伝率がいずれも大きかったので, この器官の伸長には矮性遺伝子の多面的作用が強く発現している可能性が示唆された。鞘葉長と第2葉鞘長との間にはかなり高い正の相関が認められた。籾の長さは大黒型矮性稲群で稈長と有意な正の相関をもち, 矮性遺伝子の多面作用の発現が示唆されたが, その他の矮性稲は正常稲とくらべて籾の長さ, 巾ともに小さくなく, 矮性遺伝子の作用は認められなかった。籾の長さと第2葉鞘長との間に正の相関が認められる場合があったが, 籾の長さと巾との間にはほとんど関係がみられなかった。
- 神戸大学の論文
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