イネ種子胚の成長に及ぼす矮性遺伝子の影響

概要

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1. 台中65号又はしおかりを遺伝的背景とする矮性準同質遺伝子系統T65-d_1,Sh-d_1,Sh-d_2及びSh-d_<10>, ならびに玉錦とその矮性自然突然変異系統である小丈玉錦(d_<18>^K遺伝子を含む)を用いて, 胚長, 胚内の子葉鞘長及び幼根長に対する矮性遺伝子の影響を調べた。さらに, これらの系統間で子葉鞘表皮細胞の長さと数を比較した。2. T65-d_1及びSh-d_1は, それぞれの対応する正常品種より, 胚長, 子葉鞘長及び幼根長のいずれも有意に短かった。しおかりとSh-d_1との間におけるこれら諸形質値の差は開花後10日目以降から認められた。小丈玉錦の胚長と幼根長は玉錦のそれと有意に異ならなかったが, 子葉鞘長は有意に短かった。Sh-d_2及びSh-d_<10>としおかりとの間には, これらの形質値に著しい差がみられなかった。3. T65-d_1及びSh-d_1の子葉鞘表皮細胞の長さは, それぞれ台中65号としおかりより有意に長く, 細胞数は逆に著しく少なかった。Sh-d_2とSh-d_<10>でも細胞数がしおかりよりやや少ない傾向にあった。しかし, 小丈玉錦の細胞長及び細胞数は, いずれも玉錦のそれらと有意に異ならなかった。
神戸大学の論文
1985-01-31