煎茶用中晩生品種りょうふうの育成
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概要
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りょうふうは,1972年に茶業試験場(金谷,現野菜・茶業試験場)においてほうりょくを種子親に,やぶきたを花粉親として交配した実生集団から選抜された。金谷17号の系統名で1989年から1996年まで全国の主要な茶産県で系統適応性検定試験及び特性検定試験を実施した結果,優れた品種であることが認められたため,1997年7月にりょうふうとして命名,茶農林45号として農林登録された。<BR>挿し木発根性,苗床での生育は良好で育苗は容易である。幼木期の樹高,株張りともやぶきたより優れ,生育は良好である。樹姿はやや直立型で仕立ては容易である。耐寒性,裂傷型凍害抵抗性,炭そ病に対する抵抗性はやや強である。<BR>萌芽期はやぶきたより2〜4日遅く,かなやみどりと同程度の中晩生である。一番茶収量は,やぶきたより多収である。一番茶品質はやぶきたと同程度かやや優れる。色沢は明るい緑で,水色は透明感があり良好である。滋味は強く,すっきりとしている。<BR>やぶきたと組み合わせて栽培することによって摘採期の集中による弊害を回避できる。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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田中 淳一
野菜茶研・育種開発
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武弓 利雄
農林水産省野菜・茶業試験場
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田中 淳一
農林水産省野菜・茶業試験場
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武田 善行
農林水産省野菜・茶業試験場
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池田 奈実子
農林水産省茶業試験場
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山口 聰
愛媛大学農学部
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近藤 貞昭
農林水産省野菜・茶業試験場
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渡邉 明
農林水産省野菜・茶業試験場
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安間 舜
農林水産省野菜・茶業試験場
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勝尾 清
北越農事株式会社
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増田 清志
北越農事株式会社
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簗瀬 好充
北越農事株式会社
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武田 善行
農林水産省 野菜・茶業試験場久留米支場(枕崎)
-
安間 舜
農林水産省北海道農業試験場
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