炭疽病・輪斑病複合抵抗性のやや早生緑茶用品種'さえあかり'の育成
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概要
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1)炭疽病・輪斑病複合抵抗性で収量および製茶品質が優良な,やや早生の緑茶用品種'さえあかり'を育成した。'さえあかり'は樹勢強で輪斑病抵抗性の'Z1'を種子親,早生で高品質の'さえみどり'を花粉親とした,1989年交配の実生群から選抜された品種である。'さえあかり'は2010年7月21日に品種登録出願公表されるとともに,2011年3月28日に茶農林55号として,農林認定された。2)育成地における'さえあかり'の萌芽期と摘採期は'やぶきた'より4~5日早く,全国平均の摘採期は'やぶきた'より1日早いやや早生品種である。3)樹姿はやや開帳型,樹勢は強であり,株張りは'やぶきた'より大きい。4)耐病性は炭疽病と輪斑病に強,もち病にやや弱である。5)新芽は明るい緑色で,柔らかく製造しやすい。生葉収量は'やぶきた'よりも多い。6)製茶品質は,一番茶は'さえみどり'と同等で外観・内質ともに優良であり,二番茶以降の夏茶品質は'さえみどり'よりも優れる。
- 農業技術研究機構野菜茶業研究所の論文
- 2012-02-00
著者
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田中 淳一
野菜茶研・育種開発
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田中 淳一
野菜 ・ 茶業試験場(枕崎)
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田中 淳一
独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所枕崎茶業研究拠点:(現)農林水産省技術会議事務局
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根角 厚司
野菜茶業研究所
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