F_2玄米の粒大を支配する遺伝的要因について

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1. 小粒性主働遺伝子を有するイネの2系統, すなわち小粒神力およびH346と, 極大粒種の房吉を含む数種の栽培品種とを交雑して得たF_2種子について, 玄米の重さと長さにおける変異を調べ, F_2種子の粒大に, 胚又は胚乳の遺伝子が影響をおよぼすか否かを明らかにしようとした。本実験では, 胚や胚乳の遺伝子の発現をより明確に知るために, 穎の上端約1/3を切除し, 穎の規制を取り除いた状態で子房を発育させて得た玄米(切穎玄米)と, 正常状態で発育させて得た玄米(無処理玄米)とを用いた。2. いずれの品種・系統およびF_2種子でも, 切穎玄米の粒長は無処理玄米のそれより長かった。しかし, 切穎玄米の粒重は, H346を除き, 無処理玄米より重くはならなかった。3. F_2種子の粒重と粒長の標準偏差および変異係数は, 両親と比べてやや大きくなる場合がみられた。しかし, 切穎玄米と無処理玄米のいずれでも両形質の遺伝率がともに正の値となったのは, 調査した12の交雑組合せのうち, 朝日×小粒神力の1組合せだけであった。4. 上記のことから, 供試した交雑組合せ群のF_2種子にみられた変異の大部分は, 環境変異によるものであり, 胚乳あるいは胚の遺伝子は粒大にほとんど関与していないと考えられる。
神戸大学の論文

F_2玄米の粒大を支配する遺伝的要因について

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