花粉粒の胚形成機構に関する研究 (第2報) : タバコ葯培養における幼植物形成に対する各種糖類濃度の効果(園芸農学)
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概要
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1) 葯培養における花粉起源幼植物体の形成に対する糖類の効果を明らかにするために糖の種類及び濃度を変えた培地でタバコ(Nicotiana tabacum L. cv. Bright Yellow, 2n=48)の葯を培養し, 幼植物体の形成を調査した。すなわち, 幼植物体を形成した葯の全培養葯に対する割合を植物体形成率とし, 1葯から形成された植物体数の平均を葯当り形成植物体数とした。さらにこの両者をかけ合わせた値, すなわち, 培養葯1個から期待される植物体数を葯の植物体生産能力として算定した。2) 蔗糖濃度については1/256Mから1/4Mで植物体の形成がみられ, 0M及び1/2Mでは全く認められなかった。植物体形成率については1/8Mが, 葯当り形成植物体数及び葯の植物体生産能力については1/16Mがそれぞれ最適濃度であった。また, 形成された植物体は低濃度区と高濃度区とでその形態が異なる傾向がみられた。3) ブドウ糖及び果糖についても蔗糖と同様に, 1/64Mから1/4Mまで植物体の形成がみられた。いずれの糖も植物体形成率については1/8Mの濃度が, 葯の植物体生産能力については, 1/16Mの濃度がそれぞれ最適であった。1/2Mではいずれの糖の場合も植物体形成がみられなかったので, 糖類濃度の上限が1/4Mから1/2Mの間にあるものと推察される。ブドウ糖は蔗糖とほぼ同等の効果を示したが, 果糖はやや効果が低く, 有効な濃度範囲も狭かった。
著者
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