Solanum tuberosum とその近縁 2 倍種間の交雑能力に対する染色体倍加及び免疫抑制物質の効果(園芸農学)

概要

論文の詳細を見る
S. tuberosum (2n=48)に対する近縁2倍種の交雑能力には, 一般に, 2つの遺伝的要因が関与しているものと考えられている。1つは両親間における染色体数の不均衡であり, 他は交雑不和合性遺伝子の作用である。本研究は, この観点から, S. tuberosumを母本とし, 南米産2倍種S. chacoense (2n=24)及びメキシコ産2倍種S. pinnatisectum (2n=24)を父本とした場合の交雑能力に対して, 2倍種親の染色体倍加と母本の免疫抑制物質ε-amino caproic acid (EACA)水耕処理がいかなる効果を示すかを明らかにするために行ったものである。染色体倍加による両親染色体数の均衡化は, S. chacoenseでは極めて有効であったが, S. pinnatisectumには全く効果が認められなかった。したがって, 後者の場合は, 他属植物で指摘されているような不和合性遺伝子による免疫反応がその主因であろうと推察され, その反応に抑制効果をもつEACA処理を試みた。しかし, その効果は, 本研究で用いた1000ppm溶液の水耕処理では, 柱頭上の花粉発芽, 花柱内の花粉管伸長及び子房内への花粉管侵入のいずれにおいても認められなかった。濃度と処理法に今後検討すべき余地があるものと考えられる。上記処理のいかんをとわず, 花柱内の花粉管数は花柱の下半部で激減することが認められた。したがって, バレイショ近縁種における交雑不和合性反応はほぼその部位で起こるものと推定される。
神戸大学の論文
1981-01-30

Solanum tuberosum とその近縁 2 倍種間の交雑能力に対する染色体倍加及び免疫抑制物質の効果(園芸農学)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク