生長素利用による栗の取木に就いて
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概要
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1. 取木母木に主として4年生銀寄実生を用い, 前年12月, 移植した母木から本年出た新梢に, 6月初旬より7月下旬にわたつて取木実験を行つた。2. 使用した生長素は主にインドール酪酸(ラノリン1g当り10mg)である。3. 普通の取木の場合は基部に切口を与えてラノリンを塗布し, 埋土した。高取は環状剥皮したもの及びしないものにラノリンを塗り, その上を水苔及びポリエチレンで包んだ。4. 埋土した場合は発根率は良好であつて, 処理後20日で80%内外の発根が得られた。5. その時, 枝梢の伸長度と発根率との間には各時期ともに関係が認められなかつた。6. 取木の最適期は今後の研究によらねばならないが本実験では時期による発根率の差は見られなかつた。しかし後に処理したもの程, 発根までの期間は短縮され, 従つて一定期間中の発根量も多いように観察された。発根期間が8月初めの高温乾燥期にかかつたものは, その障害が見受けられた。7. インドール酪酸を用いた場合は, 処理部が黄化されていることは必ずしも必要としないようである。8. 埋土した場合は僅かながらインドール酢酸及びナフタレン酢酸によつても発根した。9. 未発根に終つたものも再処理によつて発根せしめ得ることを認めた。10. 高取の場合は環状剥皮した方が効果的で, 大体2cm位の巾が適当と思われた。埋土した場合は切口を与えなくとも差支えないようである。
- 神戸大学の論文
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