ウメ果実の発育と種子のジベレリン

概要

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1. ウメ(Prunus mume sieb. et Zucc.品種白加賀)果実の発育と種子中のジベレリン(GA)様物質の時期的変化について検討し, さらに水溶性GAの部分精製を試みた。2. 果実の発育(生体重)は二重S字曲線を示し, 開花7∿9週間後に生長の一時的停滞期がみられ, 開花13週間後に成熟に至った。乾物重の増加は生体重のそれに約1週間の差で続いた。3. 果実中の種子の発育(生体重)も二重S字曲線を示し, 開花6週間後に生長の一時的停滞期が見られた。この時期以降胚乳は退化し, 胚が発育を開始した。4. 種子中のGA様活性はエチルエーテルおよび酸性ブタノール分画に見い出された。両分画とも開花10週間後まで高い活性を維持し, 胚乳および胚の生長期と一致した。発育初期(開花5週間後)の幼果の酸性ブタノール分画で最も高い活性が得られた。5. 酸性ブタノール分画のGA活性区分を部分精製し, TLCを用いてモモ種子のGA_<32>と比較した結果, スポットの特異吸収およびそのRf値から, ウメ種子の主要なGAはGA_<32>と同定された。
神戸大学の論文
1983-01-30