ナルトミカン果皮の老化とリポキシゲナーゼ及びヒドロペルオキシド開裂酵素活性の変化
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概要
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ナルトミカンの果皮の老化に伴う, 果皮フラベド組織中のリポキシゲナーゼ (LOX) 及びヒドロペルオキシド開裂酵素活性の変化を調べた. 酵素活性は, それぞれ, リノール酸及びそのヒドロペルオキシドを基質として, 生成するn-ヘキサナール量 (nl/g新鮮重) で示した.LOX活性は, 夏, 幼果期に高く, 秋〜冬の着色期に低く, 早春, 再び増大し, 成熟期 (4月ごろ) にかなり高い値を示した. 以後, 果実の回青とともに低下した. 開裂酵素活性はLOX活性に比して著しく高く, 季節的な変化はLOX活性のそれとほぼ同じであった.幼果期 (8月11日), 着色期 (12月13日及び2月2日) 及び成熟期 (4月17日) に果実に採取し, 1〜25°Cに貯蔵して酵素活性を測定した. LOX活性は貯蔵温度とともに増大した. しかし, 幼果期から成熟期へと果皮の老化が進むに従って, 15°C以上の高温はLOX活性の増加を抑制するようになり, 成熟果では適温は15°Cへと低下した. 貯蔵果の着色は, 幼果期には25°C, 着色期(12月13日) には15°Cでもっとも早まった.採取果にエセホン (500ppm) 処理すると, 着色が促進され, LOX活性が増大した. ジベレリン (100ppm) 及び高温 (35°C, 48hr) 処理によって, 着色の抑制とLOX活性の低下がみられた.
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