成熟期にみられるナルトミカンの果皮の生理障害 (果皮黄斑<はん>症) について
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概要
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ナルトミカンの果皮障害 (果皮黄斑症という) は, 主産地の淡路島において, 昭和40年の異常な発生以来注目されるようになった, 障害果は1月下旬〜3月下旬に発生する. 果頂部に近い果皮表面に小さな黄色に退色した部分を生じ, その部分は油胞がはん状にみえる. 著しい場合には, 症状は果皮全面に広がる. 二次的にかっ変したり, 炭そ病菌などに害されやすくなり, 多くは落果する. 退色した部分は表皮下の組織が異常を呈し, プロログルシンー塩酸液で染色される. 成熟の進んだ外なり果が障害を受けやすく, 内なり果には発生がみられない. ジベレリン処理は発生を抑え, エスレル処理は助長する. 外なり果は内なり果に比し, 果皮のP, K含量が低く, Ca, Mg含量が高い. ジベレリン処理によって果皮のCaおよびMg含量が減少した. しかし, 障害果と健全果の間では, これらの無機要素含量には明らかな差は認められなかった.
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