ナルトミカンのフラベド組織の脂質組成の貯蔵中の変化並びに生長調節物質及び貯蔵温度の影響
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概要
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成熟初期の採取果を用い, 貯蔵 (18°C) 中のフラベド組織の脂質組成の変化を調べると共に, GA処理及びエセホン処理を行い, その影響を調べた. また, 5°C, 10°C及び20°Cに1ヵ月貯蔵し, 温度の違いが脂質組成に及ぼす影響を調べた.貯蔵中糖脂質の脂肪酸総量, とくにリノレイン酸(18:3)量, 並びにモノガラクトシルジグリセリド(MGDG)及びジガラクトシルジグリセリド(DGDG)はクロロフィルの退化とともに減少した. 中性脂質並びにリン脂質の総脂肪酸量及びボスファチジルコリン(PC), オスファチジルエタノールアミン(PE)及びホスファチジルイノシトール(PI)は貯蔵中一定の傾向がみられなかった.遊離ステロール/リン脂質比は貯蔵後期に著しく増大した. GA処理は対照区に比し, 糖脂質の減少を遅らせた. また, 中性, リン及び糖脂質の18:3組成の減少を遅らせ, エセホン処理は促進した. GAはオレイン酸(18:1)から18:3への不飽和化を促進し, エセホンはリノール酸(18:2)から18:3への不飽和化を抑制するものと思われた. PC/PE比はGA処理によってやや増大し, エセホン処理によって低下した.糖脂質及びリン脂質の総脂肪酸量並びに主な糖及びリン脂質量は貯蔵温度と負の関係を示した. また, 低温ほど各脂質の18:3組成が維持され, GAの作用と同方向に働くことが明らかであった. PC/PE比及びステロール/リン脂質比は貯蔵温度の影響をうけなかった.
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