クリ樹の耐凍性に関する研究 (VI) : 摘葉が枝条の耐凍性におよぼす影響
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概要
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クリの幼木を用いて, 初秋期にいろいろな程度の摘葉を行なって, 枝条の耐凍性におよぼす影響を調査した。また枝条の熟度や充実度の指標として, 含水量および炭水化物含量を測定して, その結果を耐凍性との関連において検討した。1. 9月上旬に全葉を摘除すると, 耐凍性の高まり方は著しく緩慢になり, 冬期に至ってもその程度はかなり低かった。そして早春, 速やかに耐凍性が消失した。全葉量の1/2ないし4/5を摘除しても, 耐凍性は無摘葉樹と比較して大差がなかった。9/10程度の極端に強い摘葉を行なうと, 耐凍性が高まり始める時期は遅延した。2. 1年枝における含水量, でん粉含量および全糖含量は, 1/2ないし4/5摘葉樹では, 含量においても季節変化においても, 無摘葉樹とほとんど差がなかった。全葉を摘除したものでは, 枝条の含水量は秋期に正常に減少せず, 冬期でも比較的高含量を持続した。また枝条のでん粉含量は秋期の蓄積量がきわめて少なく, そのため冬期の全糖含量も低かった。3. 冬期の根におけるでん粉含量は枝の場合と異なり, 摘葉の影響が顕著であった。しかし全糖については, 着葉程度の多少, 有無による差はみられなかった。
- 神戸大学の論文
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