クリ樹の耐凍性に関する研究 (V) : 伸長停止期と耐凍性との関係
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概要
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日長処理やジベレリン, MH散布によって枝条の伸長停止期をかえ, 停止期の早晩が耐凍性にどのように影響するかをしらべた。1. 枝条の伸長は, 短日状態(8時間日長)では, 約2週間の連続処理により停止した。長日状態(16時間日長)では9月下旬まで伸長が続き, 自然日長の8月上旬に停止したのに対して2ヶ月近く停止期が遅延した。ジベレリンの処理効果は明らかでなかった。MH処理区は生長中の枝先と若葉に薬害がみられた。2. 耐凍性が増加しはじめる時期は生長停止期の早晩にあまり関係なく, 10月であった。しかし9月下旬まで生長が続いた長日区では耐凍性が増加しはじめる時期は多少おくれた。3. 技条の成熟につれて, 含水量の減少, 細胞液の滲透濃度の増加, でん粉の蓄積, 形成層活動の減退などの変化が起る。これらの変化は伸長停止期の早晩に関係なく9月に入って顕著に表われる。しかし長日下においたものは伸長停止期の遅延にともない, このような変化も遅延した。
- 神戸大学の論文
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