枳殼の花粉の貯藏と寿命とに就いて
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概要
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柚と枳殼を交雑する目的で枳殼花粉を室温で貯藏し, その発芽能力を調査した。1.人工発芽床の最適蔗糖濃度は20∿30%の間にある。又温度は播付後24時間では25℃と30℃が最高の発芽率を示した。2.室内では貯藏された大部分の花粉は数日内に発芽力を失う。しかし塩化カルシュームを入れたデシケーター中に貯藏した花粉は110日以上発芽力を有する。3.乾燥貯藏した花粉の貯藏日数(X)と発芽率(Y : sin-φによる)との関係は次の式で表わされる。Y=46.29-0.38X 4.50日間乾燥貯藏した一部の花粉で著しくよぢれた花粉管が観察され, 次第にその異常の率は増加した。この様な花粉が授精力を有するかどうかは疑問である。5.35日間乾燥貯藏した花粉を用いて柚と交雑し, 33.3%の着果率が得られた事実から少くとも40日以内で乾燥貯藏された花粉は充分に授精力を有する。
- 神戸大学の論文
著者
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