クリ樹の養分の季節的変動
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概要
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(1)クリ園の傾斜地の上下から, 8年生銀寄樹の2年枝を定期的に採取した。供試材料は傾斜地の上下別に葉, 花, 果実, 新梢および2年枝の木皮部に分け, N, P, K, Mg, およびMnの分析を行なった。2年枝の各部および全部におけるこれらの成分の季節的変動を調査した。(2)乾物増加の山は開花期である6月と果実成熟期の9月にみられ, 後者の山が高い。(3) N, P, およびKの分布の山は乾物増加の山とほぼ一致し, 8月中旬までに40∿60%吸収される。N吸収の山はほぼ同程度であるが, PおよびK吸収の山は後期の方が高い。2年枝全体の濃度についてみると, 6月中旬∿9月下旬までNは漸減するのに対し, PおよびKはほぼ一定である。(4)葉および枝の木皮部において, 季節的な塩基平衡が認められた。冬期は主としてCaの割合が多く, 夏期は相対的にKの割合が増加する, 1年枝に蓄積されたCaは翌年(2年枝)新生部の生長に利用される。その結果, 2年枝内のCa濃度の減少に伴なってK濃度が増大し, Kの移行を促進するように思われる。(5)樹の発育の不良な傾斜地の上部においては, 花および果実当り葉重が少ない。
- 神戸大学の論文
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