甘蔗バガスの利用に関する研究 : 第 2 報バガス分解カビの分離ならびに酵素的性質(農芸化学科)

概要

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甘蔗バガスを分解するカビを検索分離するとともに, 分離菌の酵素作用について調べ, 次の結果を得た。1.熱水処理バガスを唯一の炭素源とした液体培地に生育するカビが砂糖きび畑土壌などから分離された。分離されたほとんどのカビはTrichoderma属の菌株であった。2.分離菌株のバガスコウジ抽出粗酵素液は熱水処理バガスよりもカセイソーダ処理バガスをよく分解して還元糖を生成した。3.分離したTrichoderma B-353菌株の粗酵素液は熱水処理バガスおよびカセイソーダ処理バガスをよく分解した。分解の程度はバガスを処理するカセイソーダ濃度で異なり, 0.5%カセイソーダで処理したバガスが最もよく分解された。4.Trichoderma B-353菌株の硫安塩析酵素液は, 熱水処理バガス, バガスセルロースおよびアビセルを分解してセロビオースおよびグルコースを生成した。また本酵素はカセイソーダ処理バガスを分解してセロビオース, グルコースおよびキシロースを生成し, セロビオースを分解してグルコースを生成した。
琉球大学の論文
1972-12-01