酵素による生甘藷組織の分解(農芸化学科)

概要

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生甘藷組織の酵素による崩壊・液状化機構を明らかにする目的で, 各種糸状菌の麸麹から調製した酵素液について生甘藷崩壊活性を調べるとともに, 本酵素活性と生甘藷組織の液状化との関係について調べた。各種糸状菌の生甘藷崩壊活性が認められ, 中でもAsp. saitoi 3295及びAsp. niger 3280に高い活性がみられた。両菌株酵素による生甘藷及びペクチン分解性は酵素濃度と酵素反応時間に比例して増加した。Asp. saitoi酵素では生甘藷磨砕物の液状化はみられなかったが, Asp. niger酵素で液状化がみられた。Asp. saitoi酵素は, Asp. niger酵素よりも生甘藷崩壊及びペクチン分解性が高かったが, 濾紙及びCMC糖化活性は低かった。Asp. saitoi酵素とセルラーゼを同時に加えても生甘藷の崩壊は促進されなかった。しかし, セルラーゼ標品は生甘藷組織に作用し, 高分子ペクチンを可溶化した。生甘藷磨砕物にAsp. saitoi酵素及びセルラーゼを単独で添加しても液状化はみられなかったが, 両酵素を同時に加えると液状化することが明らかになった。
琉球大学の論文
1988-12-05