草類蛋白質の栄養価(第17報) : ラジノクローバーおよびレッドクローバーの葉蛋白質の生物価
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概要
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オルソジフェノール化合物およびオルソジフェノールオキシダーゼの含量の少ないラジノクローバーと,多いレッドクローバーを試料とし,白ネズミを用いて実験を行ない,次の結果を得た. (1) ラジノクローバーの場合は,生葉と乾燥葉の蛋白質の生物価,消化率の間に有意の差がなかった.一方,レッドクローバーの場合は,乾燥葉蛋白質の生物価(1%水準),消化率(5%水準)は生葉のそれより有意に低かった. (2) レッドクローバー乾燥葉蛋白質の生物価(5%水準),消化率(1%水準)はラジノクローバー乾燥葉のそれより有意に低かった. (3) 生葉試料と乾燥葉試料の蛋白質の溶解性には大きな差異があるが,ラジノクローバーについての結果から,その差異は乾燥葉蛋白質の生物価,消化率にはほとんど影響をおよぼさないことが認められた. (4) 乾燥葉蛋白質のegg replacement value は,ラジノクローバー葉:49.4,レッドクローバー葉: 44.6であり,そのときの真の消化率は,それぞれ78.9%, 73.5%であった. 以上の結果から,レッドクローバー乾燥葉蛋白質の生物価,消化率が生葉蛋白質およびラジノクローバー乾燥葉蛋白質のそれより劣る原因の一部は,レッドク戸一バー葉にはオルソジフェノールおよびオルソジフェノールオキシグーゼが多いので,乾燥中,オルソジフェノール・オルソジフェノールオキシダーゼ・蛋白質系の反応が進むためであると推測される.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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