草類蛋白質の栄養価(第15報) : 青刈大豆葉,大根葉蛋白質の消化に及ぼすグルコースならびに生葉プロテアーゼの影響について

概要

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草類は,これを乾草にするとその蛋白質の消化率が低下することが知られている.その原因の1つとして生草中に存在する遊離の還元性糖類が蛋白質と縮合して蛋白質を消化の受けにくいものに変化するからであろうと推定されているが,この点を明らかにする目的で,青刈大豆葉(凍結保存),大根生葉を用いて,グルコース,ビタミンCなどの影響を調べた.その結果,これら還元性物質は草類の乾燥に伴う蛋白質の消化率低下の原因とはならないことを明らかにした.大根葉は天日乾燥しても,全窒素の減少も粗蛋白質の人工消化率の低下も認められなかったが,蛋白態窒素の減少と純蛋白質の人工消化率の低下が認められた.これは大根葉プロテアーゼによる乾燥中の自己消化に伴なう純蛋白質の絶対量の減少に伴う,見かけの消化率の低下に帰せられた.さらに大根葉プロテアーゼの性質について二,三研究し,大根葉蛋白質に対してはpH 6.0において約48.5%の分解を示し,添加したカゼインに対してはpH 9付近で約58.8%, pH 6.0において41.5%の分解を示し,大根葉プロテアーゼは単一のものではないことが示唆された.大根葉を40〜50°に通風乾燥してもその活性の低下は認められなかった.
社団法人日本農芸化学会の論文