等速直線運動モデルを使用した適応型ゲインによるNP追尾法(測位・航法及び一般)

概要

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等速直線運動モデルを使用した追尾法において,平滑性能の代表的な指標は,等速直線運動目標に対する定常状態での追尾精度である.また,追従性能の代表的な指標は,加速度を持つ目標に対する定常追従誤差,すなわち定常加速度偏差である.ここで,平滑性能と追従性能は相反する性能である.なお,等速直線運動モデルを使用したカルマンフィルタでは,運動モデルの曖昧さを表す駆動雑音共分散をあらかじめ設計する必要がある.しかし,駆動雑音共分散行列は,追尾性能から直接算出できないため決めにくい値である.このため,追尾設計を容易するため,定常加速度偏差が一定,駆動雑音共分散行列が零行列としたNP法が開発されている.ここで,レーダによる追尾を維持するためには,直交座標で算出される追従誤差を角度誤差に変換した値が一定値以下である必要がある.すなわち,追尾を維持するためには,レーダから目標までの距離が小さいほど,直交座標の追尾誤差を小さくする必要がある.本稿では,NP法において,平滑性能と追従性能のバランスを取るため,目標距離に応じて,直交座標による定常加速度偏差の値を制御する方法を提案する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2011-01-20