牛肉の結合組織画分に対する各種プロテアーゼの分解能について

概要

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1)Holstein種の老廃牛のアキレス腱部分を,HEIKKINENらの方法に従い,塩可溶性画分(SSF),酸可溶性画分(ASF),酸不溶性画分(AIF)に分画した。2)アミノ酸分析機により各画分の構成アミノ酸を明らかにしたところ,ASFは標準Collagen(Merck社)と類似した組成を示していたが,SSFおよびAIFは,かなりの相異が認められた。3)これら3画分に,Ficin,Bromerine,Papain,Pancreatin,TrypsinおよびCollagenaseを作用させたところ,概してSSFは分解されやすく,AIF,ASFは分解されにくかった。しかし,TrypsinがAIFに対して,またCollagenaseがASFに対して強い分解力を示すことが特徴的であった。4)各pH条件下では,植物性酵素は酸性側で,動物性酵素はアルカリ側で強い活性を示し,Collagenaseは,pH6.3-7.2の間でかなり強い活性を示していた。5)各種酵素による3画分の分解産物のペーパークロマトグラムによれば,ほぼ7つ程度のスポットが検出され,いずれの場合にもOH-ProlineをN-末端に有するペプチドの存在がうかがわれた。
帯広畜産大学の論文
1974-03-20