加工肉の可溶性蛋白質に関する研究 : 第1報熟成中の肉の水溶性蛋白とアミノ酸の消長
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
熟成過程中の羊肉を120時間毎に採取し,蒸溜水をもって抽出し,この抽出液につきTISELIUSの電気泳動装置を用い,水溶性蛋白の組成の変化を検討し,また上記抽出液につき遊離アミノ酸の消長をPaper-chromatographyにより追求した。得られた結果を要約すると次の通りである。1.泳動図(下降図)によって観察すれば,水溶性蛋白を構成する分屑は対照区においてはmyoalbuminに属するもの2,globulinに属するもの2,myogenに属するもの1があげられる。2.Ex.2(熟成120時間)ではmyogenに属する分屑が2つに分れるが,他の分屑には変りがない。3.Ex.3(同240時間)ではglobulinに属する2つの分屑が消失した。4.Ex.4ではmyoalbuminに属する1つの分屑が消失し,Ex.2で現われた分屑が不明確になった。5.Ex.5〜6では,確認される分屑に移動はないが,泳動図は次第に単純になった。6.Ex.7において新しく1つの分屑が現われたが,これが赤く着色していた事から,myogenに属するものと考えられる。7.遊離アミノ酸については,対照区においてはGly.,Ala.,Leu.,Ser.,Try.,Cys/2.,His.,Asp.及びGlu.の9コが確認され,他に同定し難いものが3コあった。8.上記アミノ酸中,Try.及びHis.は熟成中途に消失し,別にThr.,Phe.,Arg.及びNH_3はEx.3〜4以降毎回検出され,又Val.,Ileu.,Met.,Lys.及びHylys.は中途より出現し,再び消失し,Tyr.は断続的に現われた。9.同定し得たアミノ酸はEx.4まで漸増し,同定し得ないspotは中途増減したが,Ex.7では13コに達した。
- 帯広畜産大学の論文
- 1958-05-30
著者
関連論文
- ミオグロビンの自動酸化速度の測定法について
- ウシミオグロビンの結晶化とその理化学的性質について
- 低温性細菌によるカゼインの分解
- 54. 牛乳レンニン凝固の電子顕微鏡による観察(第8回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 38. 原料乳の鮮度保持について : 過酸化水素及びペニシリンの利用(第6回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 37. 煉粉乳に於ける水分定量法の検討 : M_法とK_ F_法の比較(第6回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 57. 馬血清中の牛乳レンニン凝固抑制物質について(第5回帯広畜産大学学術集談会記事)
- Amido Black 10Bによる牛乳蛋白簡易定量法について
- Str. lactis並びにLact. bulgaricusのPenicillin, Streptomycin及びAcromycinに対する感受性及び耐性獲得について
- 牛乳レンニン凝固の電子顕微鏡による観察
- 加工肉の可溶性蛋白質に関する研究 : 第1報熟成中の肉の水溶性蛋白とアミノ酸の消長
- 生ハムと非加熱食肉製品の規格基準
- でん粉工場廃液の牧草地散布が牛乳乳質におよぼす影響ならびに廃液処理の検討
- 異なる筋肉部位から調製した牛肉ホモジネート保存中におけるペプチド量および遊離アミノ酸量の変化
- 電気刺激で牛肉の品質を改善する 熟成期間の短縮化に有効.筋細胞の生化学的研究にも応用の途
- 反芻動物ラクトフェリンのN末端領域アミノ酸配列の類似性について
- 發酵ソーセージにおける分離Micrococcus sp., Pediococcus sp.およびLactobacillus sp.の活性
- 牛肉の理化学的分析値に対する主成分分析
- グラム陰性桿菌に対するグリシンの抑菌作用
- 鮭肉混合ソーセージの理化学的および官能的特性
- 食肉中のTBA値測定精度についての比較研究
- 牛肉の結合組織画分に対する各種プロテアーゼの分解能について
- トヨパールゲルによる食肉タンパク質の分別
- 53. 抗生物質注射による肉の貯蔵効果について(第8回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 52. 肉の水和に関する研究(第2報) : 各種塩類添加がソーセージの品質に及ぼす影響について(第8回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 51. ソルビン酸の変質について(第8回帯広畜産大学学術集談会記事)
- Myoglobinの離脱に関する研究 : 第1報乳酸注射による離脱について
- 66. Myoglobinの離脱に関する研究(第7回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 65. 羊肉蛋白の溶解性について(第7回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 64. ソーセージの結着力について(第2報)(第7回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 63. ライフアンケーシングによる大和煮の貯蔵について(第7回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 36. 羊筋肉抽出液の電気泳動的研究(第6回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 6. ソーセージの結着力について(第6回帯広畜産大学学術集談会記事)
- 56. 調理肉の油封に関する化学的研究(第5回帯広畜産大学学術集談会記事)
- JICA研修制度に対する地域からの支援 : 食肉および食肉加工品の保蔵技術コースを担当して
- 冷却冷蔵下における肉タンパク質のEnterobacter aerogenesによる分解およびその菌体外プロテアーゼの精製と2,3の性質
- 電気刺激による食肉の熟成-1-
- 電気刺激による食肉の熟成-2-
- 電気刺激した牛肉における核酸関連物質の変化について(短報)
- 肉質改善と新しい肉製品開発 (畜産ポストハ-ベスト)
- ブロック状牛肉の深部に対するPseudomonas fragiとProteus vulgarisの影響
- 食肉から分離したPseudomohas sp C-16が産生するプロテアーゼの精製とその特性
- 食肉タンパク質のゲルろ過法について
- 食肉のメトミオグロビン形成とメトミオグロビン還元活性におよぼす脱酸素と炭酸ガスの影響
- 加工肉中のヘム色素の直接分析法
- 低温細菌による肉タンパク質の変化
- 食肉の細菌数および菌相におよぼす嫌気包装の影響
- 牛乳カゼインミセルの保存中における変化
- 電気刺激した牛肉における核酸関連物質の変化について
- 加工肉中のヘム色素の直接分析法
- 低温細菌による肉タンパク質の変化
- 食肉の色安定性と脂質酸化におよぼす嫌気包装の影響
- パパインによる馬肉消化液の苦味物質について
- 牛肉ホモジネートおよび筋漿の貯蔵中におけるペプチドおよび遊離アミノ酸量に及ぼす電気刺激の影響
- 牛肉ホモジネートおよび筋漿の保存中におけるタンパク性化合物の変化
- 牛肉の筋漿タンパク質,ペプチドおよびアミノ酸含量に及ぼす電気刺激の影響
- 低温性細菌による牛乳タンパク質の変化
- ニワトリの筋原せんいたんぱく質に対するPseudomonas fragiの活性
- 食肉の細菌数および菌相におよぼす嫌気包装の影響
- グリシンによる静菌作用について
- 加工肉のヘム色素に関する色調特性〔英文〕
- 添加物を加えた初乳の微生物相と仔牛への給与
- 自然発酵およびプロピオン酸または過酸化水素を加えた初乳の細菌学的変化
- 初乳におけるカゼインミセルおよび可溶性カゼイン中の各種カゼイン区分について
- 常乳におけるカゼインミセルおよび可溶性カゼイン中の各種カゼイン区分について
- γ-カゼインに関する研究 : III.γ-カゼイン各成分のCa-sensitivityについて
- アルカリ処理による牛血漿タンパク質の性状変化について
- 血清中に存在するレンニン阻害物質について-1-ブタ血清中の牛乳レンニン凝固作用阻害物質