牛肉の理化学的分析値に対する主成分分析
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概要
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4品種合計161個体の牛から得られた胸最長筋の理化学的分析値8項目に対して主成分分析を行い以下の結果を得た。主成分分析の結果,固有値1.0以上の主成分は第3主成分までで,その累積寄与率は64.1%であった。第1主成分において固有ベクトルの絶対値の大きな項目は,明度を除く色調に関連するものであり,第1主成分は,主に牛肉の色調を表す因子と考えられる。第2主成分では,脂肪融点とクッキングロスが負で比較的大きな固有ベクトルで,第2主成分は主にこの両者の大きさを表すものと考えられる。第3主成分では,pHと筋線維の太さの固有ベクトルが大きな値であるが,符号が異なる。このため,第3主成分は,この両分析値が対立するような変動を示すものと考えられる。第1主成分の得点は,いずれの品種間においても有意差が認められず,第1主成分の表す色調に関しては,品種の違いにかかわらず牛肉全般に認められる特徴と考えられる。一方,第2および第3主成分では,多くの品種間で有意差が認められた。格付け成績と主成分得点との相関係数においては,第2主成分で有意な相関が得られた。第2主成分の表す脂肪の融点およびクッキングロスの大きさはともに食感に対する寄与が高いと考えられ,枝肉の格付け成績と正の相関関係にあることは興味深い。一方,主に色調の変動を示す第1主成分においては有意な相関は認められなかった。すなわち,色調の理化学的分析値と肉の色沢を評価項目に含む格付け成績とは,あまり密接な関係にないことが推察された。
- 帯広畜産大学の論文
- 1992-07-31
著者
-
三上 正幸
帯広畜産大学畜産科学科
-
三浦 弘之
帯広畜産大学生物資源化学科
-
三浦 弘之
帯広畜産大学
-
関川 三男
帯広畜産大学
-
関川 三男
帯広畜産大学畜産科学科
-
関川 三男
生物資源利用学講座
-
三上 正幸
生物資源利用学講座
-
三浦 弘之
生物資源利用学講座
-
関川 三男
帯広畜産大 生物資源科学
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