牛肉の筋漿タンパク質,ペプチドおよびアミノ酸含量に及ぼす電気刺激の影響
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概要
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食肉に対する電気刺激(ES)の影響を筋漿タンパク質,ペプチドおよびアミノ酸画分の消長に注目して調べた.屠殺48時間後に採取したホルスタイン経産牛の大腿二頭筋を用い,筋肉ホモジネートを調製した.またプロテアーゼの作用を調べるためCa2+,EDTAおよびロイペプチン添加したホモジネートも調製した.これらの筋肉ホモジネートから得られた上澄液はSDS-PAGEおよびHPLCにより分析した.ペプチドおよびアミノ酸含量の測定には,2%TCAR可溶性画分を用い,ペプチド量はローリー法で,アミノ酸量はニンヒドリン発色法で測定した.また肉の熟成に関与していると考えられているカテプシンBおよびB+L活性は,屠殺後2日目のものを試料にして測定した.筋漿タンパク質のSDS-PAGEによると,ES区においては46-kDaのエノラーゼおよび43-kDa のクレアチンキナーゼは減少し,27および29-kDa成分は増加した.HPLC法による筋漿タンパク質の分析から,ES区のタンパク質画分は対照区に比べ少く,ペプチドおよびアミノ酸画分は逆に増加し,特に低分子のペプチド画分はES区の方が高い値を示した.2%TCA可溶性画分におけるペプチドおよびアミノ酸含量は,ES区においてEDTA添加区は無添加,Ca2+およびロイペプチンを添加したものよりも高い値を示した.カテプシンBおよびB+L 活性から,ES区では遊離型のものが高い値を示した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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