γ-カゼインに関する研究 : I. DEAE-セルローズカラムクロマトグラフィーによるγ-カゼインの分別
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概要
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HIPPらのアルコール法により得られたフラクションCについて2°C,0.02M燐酸緩衝液(pH7.0)でDEHE-セルローズによる分別を試みた.最初に溶出する区分はセルローズに吸着されないで,室温においては白濁沈澱するいわゆるtemperature sensitive (TS)-カゼインであった.この区分はポリアクリルアマイドゲル電気泳動では移動度の遅い5つの成分から成り,以前にWAKEand BALDWINが報告したγ-カゼイン区分に相当した.さらにこの区分のチゼリウス電気泳動法によって,主要な2成分はそれぞれγ-カゼインおよびTS-カゼインである事が推測された.他の3成分については今後検討したい.セルローズに吸着した物質は食塩濃度を上げると溶出したがαs-, κ-, β-カゼインであった.フラクションCの上澄液を-20°Cで10-14日間保持して得られた沈澱をフラクションDとしたがそのほとんどはγ-カゼイン区分に相当する事が認められた.このγ-カゼイン区分のアミノ酸分析ではプロリン含量の多いのが特微であり又窒素含量12.8%であった.4.5M尿素を含む燐酸緩衝液中の超遠心分析では単一のピークであり,解離会合系を示した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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