冷却冷蔵下における肉タンパク質のEnterobacter aerogenesによる分解およびその菌体外プロテアーゼの精製と2,3の性質
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概要
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冷却冷蔵肉中に生育する微生物群の中で,5℃から40℃の広い温度域に発育し,プロテアーゼ活性の強い大腸菌群を分離した。これらのうち,最も活性の強いものを同定したところEnterobacter aerogenesであった。この菌株をWeber-Edsall溶液で抽出される鶏大胸筋の筋原線維タンパク質に接種し,5℃で10日間貯蔵したときの肉タンパク質の変化をSDS-スラブポリアクリルアミドゲル電気泳動法により調べた。2日目からC-プロテインとα-アクチニンは分解しはじめ,5日目にはミオシンヘビーチエンのバンドは完全に消失した。10日目には分解により生じた低分子のバンドは更に濃く,太くなったが,アクチンバンドはほとんど減少しなかった。BHIブロスを基礎培地とした液体培地に5℃,10日間Enterobacter aerogenesを培養し,50〜80%硫安で粗酵素の沈殿をとり,これをToyopearl HW-60Fによるゲルろ過法およびDEAE-セルロースイオン交換法を用いて,電気泳動的に単一な菌体外プロテアーゼを得た。このプロテアーゼの分子量は2.7万ダルトで,プロリンを8.7%,1/2シスチン1.1%を含むのが特徴であり,至適温度は41℃,至適pHは8.0であった。また1mM Cu^<2+>の存在下では約40%程度活性が増加したが,1mM Hg^<2+>またはEDTAの存在下では約80%の活性低下が見られ,金属プロテアーゼと推定された。
- 1984-06-25
著者
-
三上 正幸
帯広畜産大学畜産科学科
-
三浦 弘之
帯広畜産大学生物資源化学科
-
三浦 弘之
帯広畜産大学
-
三浦 弘之
帯広畜産大・家畜生産科学
-
三上 正幸
帯広畜産大学
-
金 彦玄
帯広畜産大学畜肉保蔵学教室
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