AlGaAS/GaAsHBTにおける低電圧動作のためのコレクタ構造の検討

概要

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近年、移動体通信機器の小型化、長時間動作の要求に伴い、マイクロ波帯高効出力増幅素子の高率化、低電圧動作化が望まれている。HBTは、その優れた高周波特性と共に、電力利得が大きいこと、高効率であること、パワー密度が高いこと、1電源であること、1/fノイズが小さいことなどからマイクロ波通信用デバイスとして、非常に注目されている。我々はすでに、セルファライン型AlGaAs/GaAs HBTを試作し、周波数900MHz、コレクタ電圧3.5Vにおいて、出力1W、コレクタ効率約70%を得たことを報告し、この分野におけるHBTの高いポテンシャルを示した。今回、我々は、耐圧のマージン確保とパワー特性の向上に向けて、コレクタ構造を検討した結果、Launcher構造のコレクタを持つ素子において、最も大きなパワーとゲインを得ると共に、周波数900MHz、コレクタ電圧3.5Vにおいて、出力30dBm、パワーゲイン15.7dB、コレクタ効率70%を、チップ面積1×0.6mmにおいて実現し、さらにコレクタ電圧2.5Vにおいても出力26.5dBm、パワーゲイン14.7dB、効率69.5%が得られたので報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27