椀盛の色彩分析 : イメージアナライザーを利用して

概要

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日本料理は食材や器の種類が多様であり,これらの色彩調和は料理のおいしさの重要な要素である。茶懐石の椀盛を専門書よりコンピュータにとり込み,画像処理を行い,色彩分析から見た,盛り付けのルールや色彩配分について検討した。分析は季節別に一椀の平面積に占める色の出現頻度,色の占有面積,色数,食材などを7色(黒,赤,黄色,オレンジ,白・肌色、茶色,緑)に分類し調べた。その結果,椀種が占める面積は20%から40%のものが一般的な椀盛の盛り付け形であり,最も出現頻度が多く占有面積の大きかった椀種の色は季節の魚などが中心の食材になっている白・肌色であり,これらは占有面積11%以上のものが多かった。次に緑の出現頻度が多く,占有面積は6〜10%であり,これは季節を表す緑の食材であった。赤,黄色,オレンジ,茶色の占有面積は5%以下と少ないが,無彩色に近い白・肌色をベースとして配すると,アクセントカラーとして華やかさが演出されていることが示された。一般の椀盛に使われている食材の色数は3〜5色が多かったが,夏は色数少なく,白・肌色がみえる割合を大きくした盛り付けにし,冬は色数が多く,赤などの暖色系が用いられ,夏の涼しさと冬の暖かさが演出されていることが示唆された。椀盛の盛り付けのルールや色彩配分は,季節感を大切にする日本料理の特徴をよく表現していることが示された。
日本調理科学会の論文
2001-08-20

椀盛の色彩分析 : イメージアナライザーを利用して

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