品質が異なるじゃがいもの断熱調理鍋による加熱変化

概要

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皮つき丸のままのじゃがいも(長崎県産メークイン)を断熱調理鍋とアルマイト製鋼で加熱し、断熱調理鍋の調理器具としての有用性について、加熱じゃがいもの表皮を除いた可食部外側を測定試料として物性,糊化度,組織構造から検討した。貯蔵しないじゃがいもを加熱した時のじゃがいもの凝集性、糊化度、組織構造、官能検査の結果は、断熱調理鍋とアルマイト製鋼との間に有意差はなかった。じゃがいもを4℃で貯蔵した時の重量は貯蔵4ヵ月で98.15%と有意に減少し、その後急激に減少して8ヵ月では78.90%であった。また、水分量は貯蔵しないじゃがいもでは79.52%で、貯蔵とともに減少し8ヵ月で69.70%となった。いずれの加熱器具による加熱の場合も、貯蔵じゃがいもでは硬さ、凝集性は、貯蔵4ヵ月以降で有意(p<0.01)に大きくなったが、硬さは、断熱鍋による加熱の方が鍋による加熱に比較して、硬い傾向がみられた。また、走査電子顕微鏡による組織構造も、貯蔵4ヵ月以降の加熱じゃがいもでは細胞の形状に変化がみられた。貯蔵8ヵ月のじゃがいもの断熱鍋加熱では、細胞壁の著しい変化がみられた。
1996-05-20