<原著論文>医療系学生における職業的アイデンティティの分析

概要

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本研究は, 医療職を目指す学生の職業的アイデンティティを, 「アイデンティティの感覚」という現象面から分析したものである。Eriksonの定義にもとづき, 斉一性(sameness)と連続性(continuity),個人的側面と社会的側面の2次元4象限に概念的に整理された32項目について, 466名の学生に回答を求めた。因子分析の結果, 『f1医座職の選択と成長への自信』『f2医療職観の確立』『f3医療現場で必要とされることへの自負』『f4社会への貢献の志向』という4つの因子が見出され, 先のEriksonによる概念とほぼ一致した。また, 学科別の特徴を探るため, アイデンティティの因子ごとの得点と, モデルの有無による影響を検討したところ, 看護・理学・作業・放射の4学科で異なる特徴が得られた。同じ医療系学生であってもその理論的背景や社会的役割の差異によってアイデンティティの様態は異なるため, 職種ごとの特徴をよく踏まえ, 学生の職業的アイデンティティに対する教育を行っていく必要が示された。
茨城県立医療大学の論文