臨地実習における患者-看護学生関係の構築に関する研究

概要

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看護学生が臨地実習を行う際には,患者-看護学生間に良好な人間関係を築いていくために,共感的態度をもった看護者としての関わりが重要であると考えられている。本研究は,臨地実習中における患者との関係を調査し,実習の進行に伴ってこの関係がどのように変化していくかについて解析した。データは,I大学看護学科4年生52名(男性3名,女性49名)から収集された。そして,実習の最初の頃,中頃,および終了時の3つの時点における関係の状況を尋ねた。その結果,実習の進行に伴って患者-看護学生間のコミュニケーションがより緊密になる状況が示された。因子分析の結果,相互関連の深さ因子と相互関連の距離因子という2つの因子を見出した。この因子構造は,実習の3つの時点においてほぼ同様であった。さらに,共分散構造モデリングの手法を用いて時系列的な因子分析を行ったところ,実習の最初の頃にはまだ患者-看護学生間の距離があるが,実習の進行に伴ってしだいに相互関係が深まり,相互関係が深まることによってさらに距離が縮まるという状況が客観的に示された。今後は,この関係構築を評価するための尺度を作成し,臨地実習における患者-看護学生間の関係構築をサポートする取り組みが重要であると思われる。

臨地実習における患者-看護学生関係の構築に関する研究

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