1994年初春及び初夏の南極昭和基地周辺の定着氷下で採集された沈降粒子の組成
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概要
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1994年の初春(8月12日∿9月2日)及び初夏(11月27日∿12月17日)の期間に, 昭和基地近くに係留したセディメントトラップに捕集された沈降粒子の顕微鏡観察を行った。形状や形態の特徴から識別された沈降粒子ごとの計数及び計測を行い, それぞれの沈降粒子束(フラックス)を見積もった。識別できた沈降粒子は, 珪藻類と動物プランクトンの糞と思われる粒子であり, 珪藻類として中心目が11属, 羽状目が9属, 糞粒として4タイプが識別できた。初春の珪藻類及び糞粒のフラックスは低い値を示したが, 初夏になると増加した。特に珪藻細胞数は2桁の増加がみられた。また, 珪藻類の優占種及び, 糞粒の優占型には, 季節遷移が認められた。容積フラックスにおいて, 初春には, 珪藻類では中心目のCorethron criophilum, 糞粒では丸型が多かったが, 初夏になると珪藻類では羽状目が, 糞粒では円筒型が組成は高い割合を示し, 水柱平均では30倍以上の増加が認められた。この初春と初夏で容積フラックスの季節的変化を示したが, 珪藻粒子と糞粒との容積比を水柱平均にすると, 大きな変化が認められなかった。
- 国立極地研究所の論文
- 1998-11-30
著者
-
福地 光男
情報・システム研究機構国立極地研究所
-
福地 光男
国立極地研究所
-
工藤 栄
国立極地研究所
-
渡辺 研太郎
国立極地研究所
-
佐藤 壽彦
筑波大学下田臨海実験センター
-
齋藤 良子
東京家政大学
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