南極海氷中に見出された中心目珪藻群(英文)
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概要
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これまで南北両極域において, 羽状目珪藻の優占するice algae群集が報告されてきた。しかし南極大陸沿岸で採集されたice algaeの試料から, 中心目珪藻の優占した群集が見出された。1970年10月12日, Langhovde地先(69°12′S, 39°37′E)の定着氷下部より採集された試料中にはPorosira pseudodenticulata (HUST.) JOUSEが96%の割合で出現した。また1971年12月21日, Cape Bird沖合(77°13′S, 166°28′E)の海氷下部より採集された試料からは, 63%の出現率でCoscinodiscus furcatus KARSTENが見られた。これら2種の中心目珪藻はコロニーを形成し, 付着しやすい性質を持つようである。中心目珪藻がice algaeの優占種として出現したことは, 未だ不明な部分の多いice algae群集の起源, 形成の過程の解明に, 新たな情報を与えるものとして注目される。
- 国立極地研究所の論文
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