「ふじ」航路(1980/81)における南大洋表面海水中のクロロフィルα分布(英文)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
第22次南極地域観測隊の海洋生物定常観測の一環として, 1980年12月から1981年3月にかけ, 「ふじ」航路に沿った南大洋インド洋区において表面海水中のクロロフィルα量を測定した。クロロフィルα濃度は亜熱帯水域で0.2mg/m^3以下と低く, 亜南極海域でやや高くなり, 南極収束線(AC)の北側では0.50,0.24mg/m^3の極大値が得られた。ACの南側の外洋域では概してクロロフィルα濃度は低かったが, ACのはるか南の58°S付近では0.84(南下航路上), 62°S付近では0.58mg/m^3(北上航路上)の高い値が測定された。1980年12月の西行航路上で行った測定において, 浮氷域の中ないしは近くでクロロフィルα濃度は極大を示し, 水温・塩分ともに低下した。定着氷に囲まれた氷湖中では0.66,0.80mg/m^3の高い濃度を測定した。これに対して北上航路上の浮氷域での値は低く, 西行航路上での結果と異なった。これらの結果より, 海氷とクロロフィルα濃度とが何らかの関係を持つことが示唆される。
著者
関連論文
- 第24次越冬隊陸上生物調査報告
- 第24次越冬隊海洋生物(BIOMASS計画2年次)観測報告, 1983/84
- 1983/84昭和基地周辺定着氷下のクロロフィルα現存量と環境条件の季節変化(英文)
- JARE-39, -40「しらせ」航路に沿った夏季南大洋インド洋区における 表層水中の動物プランクトン現存量
- アイスアルジーのディアディノキサンチンサイクル
- アイスアルジー光合成系の光強度変化
- 1988/89年夏季,南極キングジョージ島長城基地での日中共同観測
- 外国共同研究報告-南極プリッツ湾での日豪海洋生物共同調査, 1992
- 南極リュッオ・ホルム湾における海水と海氷中の珪藻, およびそれらの底質中での保存
- 1994年初春及び初夏の南極昭和基地周辺の定着氷下で採集された沈降粒子の組成
- 1990年3月,ボフォート海海氷域での海洋生物調査報告
- 「ふじ」航路(1980/81)における南大洋表面海水中のクロロフィルα分布(英文)
- 昭和基地沿岸定着氷域におけるアイスアルジーおよび植物プランクトンの基礎生産量の見積もり(英文)
- 夏季に南極昭和基地周辺定着氷域で発生した繊毛虫Mesodinium rubrumの赤潮とその光合成活性〔英文〕
- 1983/84年春季および夏季の昭和基地周辺定着氷域における基礎生産力〔英文〕
- 1983/84年南極昭和基地周辺のアイスアルジ-現存量の季節変化〔英文〕
- 南極リュツォ・ホルム湾におけるIce Algae の氷下観察(英文)
- 東オングル島沿岸での氷下潜水調査報告
- 南極海氷中に見出された中心目珪藻群(英文)