1972-1973年, 南極海インド洋区におけるクロロフィルαの垂直分布(英文)

概要

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第14次日本南極地域観測隊の海洋生物調査の一環として, 南極海インド洋区において, 水深500mまでのクロロフィルα量の垂直分布を調査した。観測は, 1972年12月に「ふじ」南下航路上の東経105度線に沿った南緯38∿60度間の6点, および南緯60度以南域の2点で行われた。1973年2∿3月の北上航路上においては東経15度線上に沿った南緯67∿35度間の9点で観測を実施した。表面海水中および亜表層極大層におけるクロロフィルα量は, 南下航路上の南極海域において顕著に高かった。全観測点を通して, 0∿250m水柱内のクロロフィルα積算値は17∿129mg/m^2であり, 特に南下航路上の南極海域において高かった。これは12月下旬が南極海域における植物プランクトンの増殖期に相当することによる現象と考えられた。有光層内のクロロフィルα積算値は8∿43mg/m^2であった。有光層より下層における高クロロフィルα量分布が, 南極海域において顕著にみられた。表面海水中のクロロフィルα量と亜表層におけるクロロフィルα量およびクロロフィルα積算値との間に正の相関がみられた。