カキ果実の発育に関する研究 III : 同化物質の転流ならびに蓄積について(農学部門)

概要

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カキ果実の糖蓄積の機作を明らかにするため, ^<14>CO_2を吸収させて, 同化物質の転流形態ならびに果実への蓄積の状態を調査し, あわせてオートラジオグラフィにより, 枝葉, 果実への分配動向を検討した。同化物質の果実への分配は, 果実発育第1期より第3期に進むにしたがって, ^<14>C取り込みの割合が増加した。枝内の同化物質の転流形態はほとんどが糖であり, 有機酸およびアミノ酸はきわめて少なかった。糖成分として, ^<14>CO_2同化処理1日後ではシュークローズが多く, 3日後では, とくに果実発育第2期および第3期において, フラクトースの割合が多くなった。したがって, シュークローズのみがおもな転流形態ではなく, 発育時期によって転流形態も相違するものと思われた。また, 果実内での蓄積は糖が大部分であり, 糖成分としてはグルコースおよびフラクトースがおもなものであった。しかしながら, とくに富有において果実発育第2期でシュークローズの蓄積が多くなり, 発育周期によって糖成分が変化することが注目された。オートラジオグラフィにより分配動向をみた結果, 枝では皮層部で, 果実では種子周辺および表皮組織に多く分布し, 同化物質はおもに維管束組織を通って分配されることを認めた。
京都府立大学の論文
1976-11-30

カキ果実の発育に関する研究 III : 同化物質の転流ならびに蓄積について(農学部門)

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