日本ナシの台木に関する研究 I : 台木実生の浸透圧価と生育状況(農学部門)

概要

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ホクシマメナシは自花不稔性の傾向が強く, 受精上受ける花粉の種類によって生育上の変異が生ずることが考えられるので, これらの点をニホンヤマナシおよびホクシマメナシの実生生育の変異性ならびに浸透圧について調査した。1)地上部伸長量はニホンヤマナシ52.1cmであるのに対してホクシマメナシは73.4cmであり, ホクシマメナシのほうが明らかに生育良好であった。しかし変異性はホクシマメナシのほうが大であった。2)ニホンヤマナシの浸透圧の範囲は0.45∿0.70molでホクシマメナシは0.5∿0.85molであり, ホクシマメナシの浸透圧は高かった。3)ホクシマメナシの浸透圧が0.75mol以上になると, 地上部伸長量が鈍る傾向がみられた。4)浸透圧と樹高との相関関係でニホンヤマナシr=+0.7966で相関関係が認められたのに対してホクシマメナシでは認めることができなかった。5)細根の分岐状況ではホクシマメナシに比べてニホンヤマナシは分岐多のものが断然多く, かつ変異が少なかった。
京都府立大学の論文
1966-09-01