カキ果実の発育に関する研究 (第1報) : 幼果中のサイトカイニン活性について
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概要
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カキ富有および平核無を用いて, 果実の発育にともなうサイトカイニン活性の季節的変化を, タバコカルス検定法によつて調査した.その結果, 開花前の子房中のサイトカイニン活性は, 富有, 平核無の両品種とも開花期までは減少するが, 富有の受粉果実では開花後その活性は著しく増加し, 開花30日後を最高としてその後は漸減した. そして, ほぼ60日以後ではほとんど活性が認められなくなつた. 無受粉果実のサイトカイニンの活性は, 開花後も低下し続け, 6月下旬にはすべて落果した.一方, 平核無では受粉, 無受粉のいかんにかかわらず, その活性は開花後も減少し続け, ほぼ60日以後は富有と同様にほとんど活性を示さなくなつた.また, 両品種ともにがく片の活性は開花前を最高としてその後は漸次減少し, 開花後も減少し続けたが, 開花20〜30日後の間の調査では, 富有では受粉果のがく片は無受粉果のがく片よりやや減少率が少なく, 平核無では受粉果と無受粉果のがく片の間に差異はなかつた.なお, 富有果実のサイトカイニン活性はゼアチンおよび1〜2の未知物質によることが推定された.カキ果実中のサイトカイニン活性は, 果実発育の初期, とくに富有の受粉果の初期生長に対して密接な関連があるように思われたが, 開花60日後では, 両品種とも影響がないようである.富有および平核無の両品種における幼果中のサイトカイニン活性の差異は, 果実発育の生理を知る上で興味深い問題を今後に残している.
- 園芸学会の論文
著者
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稲葉 昭次
京都府立大学農学部果樹園芸学研究室:(現)岡山大学農学部
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堀口 尚男
京都府立大学農学部果樹園芸学研究室
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石田 雅士
京都府立大学農学部
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傍島 善次
京都府立大学農学部
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傍島 善次
京都府立大学農学部果樹園芸学研究室
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堀口 尚男
京都府立大学農学部
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稲葉 昭次
京都府立大学農学部
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