カキ樹の生理生態学的研究(第 2 報) : 幼樹の生長に及ぼす土性, 土壌反応ならびに土壌水分の影響について(農学部門)

概要

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カキ幼樹を供試して, 樹体の生長に及ぼす土性, 土壌反応および土壌水分の影響を調査したが, その結果はつぎのとおりである。1.土性と樹体の生育との関係については, 新梢生長量および全樹体重よりみて, 粘質壌土がもっともすぐれ, 壌土, 砂壌土がこれにつぎ, 砂土でもっとも劣った。2.土壌反応がpH5.6-6.5の微酸性側でその生長がもっとも良好であった。アルカリ側に比べとくに酸性で地下部の生育がいちじるしく劣った。土壌内有効態要素成分はアルカリ側より酸性側へ進むにしたがって, 全N, 可溶性P, 置換性Mnは増し, 置換性K, Ca, Mgは減少するが, 樹体の生長量と葉内成分との間には一定の傾向はみられず, 土壌内有効成分と葉内含量とはN, P, Mn, Caでは傾向は一致するが, K, Mgでは必ずしも一定の傾向がない。3.土壌水分と樹体の生育との関係については, 対乾土重20∿40%(容水量の41∿81%)で地上部, 地下部の生長がもっともすぐれ, 50%(容水量の103%)がもっとも劣った。とくに50%区での根の生長はいちじるしく劣り, その伸長開始期はおそく, 活動停止期も10月上旬で早い。
京都府立大学の論文
1965-09-01