カキ品種‘平核無’の原木及び後代の染色体数について
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概要
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本研究はカキ品種‘平核無’の発生過程, ならびに種子発育不全の特徴と染色体数の変異との関連について, 原木及び未熟胚の染色体数を調査し, 検討を行った.1. ‘平核無’の原木は2n=135の染色体数を持つ偶発実生であることが認められ, それは非還元配偶子(n=90)と還元配偶子(n=45)の受精によって生じたものと考えられた. また, ‘平核無’の枝変わり品種‘刀根早生’の原木も2n=135であった.2. 開花80日後の未熟種子の多くは胚乳が退化し, 胚の発育程度も異なっていた. 未熟胚は培養後もその発育に差異がみられ, 遺伝的な要因と関連しているように思われた.3. 培養後発育した胚の染色体数を調査したところ, それは2n=106〜114の範囲にあり, すべて異数体であった. 異数性配偶子は‘平核無’に由来するものと考えられた.4. ‘平核無’では不完全胚のうや異数性配偶子の形成, 受精後生じた異数性の胚乳や胚の遺伝的不均衡による異常分裂, 退化などが, 種子形成を阻害する主な原因であると推察された.
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