カキの緑斑症果の発現機作に関する研究(農学部門)

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概要

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本研究はカキの緑斑症果の発現機作を追求するため, 果実, 葉および土壌中のおもな無機成分含量, ならびに果実の表皮系の組織構造などについて比較検討した。その結果, 緑斑症果発生園より採取した果実および葉のMn含量は, 健全園より採取したものに比べて明らかに高く, また土壌中の水溶性, 置換性および易還元性Mnは発生園でその含量が著しく高かった。また, 果実の表面構造および果肉柔組織には差異が認められなかったが, 緑斑症部位では亜表皮組織細胞の明らかな崩壊が認められ, かつクロロフィルの退化およびカロチノイドの生成に明らかに支障のあることが認められた。したがって, カキの緑斑症果の発現はおもにMnの過剰吸収による生理障害であると推定され, 栽培上の防止対策として, 土壌中の易溶性Mnの軽減をはかることが, 最も重要な課題であると考えられた。
1980-11-29

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