遮光及び無遮光下におけるカキ樹の結果枝乾物蓄積量と生理落果との関係
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概要
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カキ‘富有’成木を用い50%遮光区及び対照区を設け, 果実, 枝, 葉の乾物重を非破壊的に推定し, 結果枝の乾物蓄積量と生理落果との関係を調べた. また, 50%遮光区では葉の乾物重を推定する単回帰式をも求めた.1. 50%遮光条件下における葉の乾物重は葉身長と葉幅長の積を説明変数として用いることにより推定できることが認められた.2. 落果波相は遮光区及び対照区とも受粉後4週間目をピークとする1波相を示し, 落果率は遮光区が対照区に比べ高かった. しかし, 結果枝の照度と落果との間には一定の関係が認められなかった.3. 遮光の有無や落果時期の違いにかかわらず, 落果が発生する1週間前に果実発育が低下し, さらに, 落果3〜4日前には果実発育が停止するため, 落果1週間前にはすでに落果が誘導されており, 落果前3〜4日間は果実が離脱する誘導期間と考えられた.4. 結果枝の乾物蓄積の様相では, 枝葉の乾物蓄積はおもに葉に依存しており, 受粉後2, 3週間目では葉面積の拡大により, 受粉後6, 7週間目では単位葉面積当たりの乾物蓄積量の増大により顕著に増加することが明らかとなった. また, 受粉後3週間目までは結果枝の乾物蓄積はおもに枝葉部位に行われ, その後は果実部位へと転換することが明らかとなった.5. 結果枝乾物増加量及び枝葉乾物増加量は, 対照区では受粉後3, 4週間目落果の結果枝, 遮光区では受粉後3週間目落果の結果枝で多かった. これらの結果枝では, 落果1週間前の枝葉乾物増加量は落果しない結果枝に比べ高い値を示し, この落果は枝葉-果実間の転流物質の競合によるものと考えられた.
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