カキの生理的落果防止に関する研究 II : 受粉および GA 処理が生理的落果に及ぼす影響ならびに果実内オーキシンの消長について(農学部門)

概要

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1965年から1967年にわたり, 富有および平核無成木を供試して, 受粉, 摘葉およびがく片除去処理による落果状況を観察し, あわせてGA処理が落果に及ぼす影響を調査した。さらに果実を子房およびがく片に分別して, 受粉がそれぞれのオーキシンの消長に及ぼす影響を調査した。得られた結果は次のとおりである。1)受粉によって落果は軽減され, 平核無でも相当の抑制を示したが, 富有では著しい抑制効果がみられた。GA処理によって落果が軽減されたが, その程度は品種および年度によって若干の相違がみられた。GA濃度は1,000ppmより500ppmが有効のように認められる。がく片除去および摘葉処理は落果を著じるしく助長するが, GA処理による落果の防止効果はまったく認められない。2)子房内オーキシン含量は両品種とも開花期の果実および受粉果で多かったが, 平核無では富有に比べて開花期がとくに多く, 生育の進むにしたがってやや減少する傾向が認められた。がく片内オーキシン含量も相当多く, 果実発育および落果に対しがく片は重要な働きをもつものと思われる。GA処理によって両品種とも無受粉果の子房およびがく片内オーキシン含量が明らかに増加した。
京都府立大学の論文
1969-10-15