モモのさし木繁殖に関する基礎的研究 VI : さし穂採取母樹の枝の形質と発根の関係(農学部門)

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概要

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モモの休眠枝ざしにおいて, 4つの異なる枝しょう, すなわち短果枝, 中果枝, 長果枝及び徒長枝よりさし穂を採取してさし木したところ, 発根率は各枝しょうの下部側より採取したさし穂で成績良好であったが, 枝しょう間には一定の傾向がみられず, さし木時のさし穂内炭水化物含量との間にも相関は認められなかった。一方, さし穂当たり根数やOverall rooting-value(発根率×根数の評点)は, 炭水化物のさし穂内絶対量と高い正相関があった。従って, さし穂内貯蔵炭水化物は, 不定根の分化, いわば発根能力を必ずしも直接制御するものでなく, 生長・発達にその絶対含量が関与するものとうかがわれた。このことから, さし穂採取に当たっては, 貯蔵炭水化物の多い長果枝の下部側より採取することが望ましいと思われた。
1983-11-15

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