湿度条件に対する青果物の生理反応の類型
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
青果物の湿度環境改善の基礎資料として、湿度条件(高湿:93~98%RH,低湿:52~65%RH、20℃または25℃)が63種の青果物の呼吸活性およびエチレン生成に及ぼす影響について調査し、その結果に基づいて類型化を行った。1.呼吸活性によって三つの類型に分かれるように思われる。一つは低湿による呼吸活性促進型青果物であり、バナナ、セイヨウナシ、キウイフルーツなどのクライマクテリック型果実、多くの果菜類、根菜類中の直根類、イモ類などはこの型に属するように思われる。次は低湿による呼吸活性抑制型青果物であり、チュゴクナシ、ニホンナシ、イチゴ、大部分の葉菜類、茸類、花卉類はこの型に属するように思われる。もう一つは低湿・高湿にかかわらず呼吸活性に大きな差がない型青果物であり、ブドウやオレンジはこの型属するように思われる。2.エチレン生成を加味して、さらに細分するとエチレン生成促進型、抑制型、差なし型があるように思われる。3.低湿に伴う水分損失が一つのストレスとなって二次的に生理的反応に結びつくことが考えられ、実際流通中の青果物の取扱いはこのような湿度に対する反応も考慮して適切に対応する必要がある。In this paper,effects of relative humidity(RH)on the respiration rate and ethylene production of 63 kinds of fruits and vegetables including flowres were investigated at diffrent humidities of high RH (93-98%)and low RH(52-65%).From the respiratory response to RH,they could be classified into three groups:accelerative,inhibitive and insensitive low RH.The first group included climacteric fruits such as banana,pear and kiwifruit;the majority of the fruit vegetables;and root vegetables such as tap root,tuber and tuberous root.The second group included Chinese pear,Japanese pear,strawberry,the majority of the leaf vegetables,mushrooms and flowres.The third group included grape and orange.Furthermore,by appending endogenous ethylene production at low RH,they could be classified into eight goups from the physiological response to low RH.These results seem to indicate that water deficit stress at low RH was positively correlated their physiology response in secondary order.
- 岡山大学の論文
著者
-
中村 怜之輔
岡山大学農学部
-
稲葉 昭次
岡山大学農学部
-
久保 康隆
岡山大学農学部
-
久保 康隆
岡山大院自然科学研究科
-
中村 怜之輔
くらしき作陽大食文化学部
-
薛 彦斌
岡山大学農学部
-
薛 彦斌
Beijing Traffic Univ. Beijing Chn
関連論文
- 異なる収穫熟度のメロン果実における ACC 合成酵素および ACC 酸化酵素遺伝子の発現
- ナシ果実のACC合成酵素及びACC酸化酵素cDNAのクローニング
- 3系統のナシ果実のACC合成酵素及びACC酸化酵素遺伝子の解析
- EIN3/EIL抑制形質転換トマトの表現型解析
- トマトマクロアレイを用いた成熟関連遺伝子の発現解析
- 'Honey Dew' 果実におけるエチレン応答遺伝子の発現パターン
- セイヨウナシの果実軟化に関連する細胞壁タンパク質の解析
- 'Honey Dew' 果実における成熟関連形質のエチレン応答性
- '中谷早生'、'刀根早生'、'平核無'カキ果実の発育特性と収穫後の軟化防止
- 環状はく皮処理および反射マルチ敷設がカキ'刀根早生'果実の収穫後の軟化発生に及ぼす影響(収穫後の貯蔵・流通)
- DNAマクロアレイを用いたトマト果実における成熟関連遺伝子の網羅的発現解析
- 異なる方法で樹上脱渋処理した加温促成栽培カキ'刀根早生'果実における収穫後の軟化発生と水ストレス緩和および1-MCP処理によるその抑制
- メロン果実の軟化特性と polygalacturonase 遺伝子発現の系統間差異
- メロン果実の成熟に伴う軟化関連酵素遺伝子の発現解析
- 環状はく皮処理および反射マルチの敷設がカキ'刀根早生'果実の収穫後の軟化発生に及ぼす影響
- ブドウ果実の成熟関連MADS遺伝子のクローニングとその発現および機能解析
- セイヨウナシ成熟果の細胞壁多糖類の可溶化と低分子化に及ぼす1-MCPの影響
- 3種のナシ果実における β-galactosidase と arabinofuranosidase の酵素活性および遺伝子発現の解析
- EIN3/EIL遺伝子抑制形質転換トマト果実におけるエチレン生合成の特性について
- バナナ果実のMADS遺伝子のクローニングと成熟に伴う果皮および果肉間での発現比較
- RNA-interference 法によって作出したEIN3/EIL遺伝子抑制形質転換トマトの解析
- セイヨウナシ果実の追熟に伴う β-galactosidase と arabinofuranosidase 遺伝子のクローニングと発現解析
- イチジク果実の成熟中における細胞壁多糖類の部位別変化
- セイヨウナシ, チュウゴクナシおよびニホンナシ果実成熟中の polygalacturonase 活性の変化
- バナナの成熟関連遺伝子発現における果肉と果皮での1-MCP処理に対するの反応の比較
- 油, オーキシン, 傷害および成熟によって誘導されるイチジク果実のエチレン生成の調節機構
- セイヨウナシ, チュウゴクナシ及びニホンナシ果実成熟中の細胞壁多糖類の低分子化および可溶化
- カキ'西条'果実のCO_2誘導エチレン生成
- EIN3ホモローグを抑制した形質転換トマトの作出
- カキ'刀根早生'促成栽培果実の出荷容器の改善による軟化抑制
- ABA処理したブドウ果実のアントシアニン蓄積とPAL遺伝子発現
- 1-メチルシクロプロペン(MCP)処理, 有孔ポリ袋包装および改良段ボール箱によるカキ'刀根早生'促成栽培果実の軟化抑制
- MCP処理によるセイヨウナシ'ラ・フランス'と渋ガキ'西条'果実の棚持ち期間の延長
- 成熟開始後の1-MCP処理が Charentais メロン果実の成熟進行に及ぼす影響
- イチジク果実のエチレン生合成に及ぼす油、オーキシンおよびエスレル処理の影響
- 有孔および無孔ポリエチレン包装によるハウス栽培'刀根早生'果実の軟化抑制技術の確立
- 種々の保存温度下における有孔ポリエチレン包装によるハウス栽培カキ'刀根早生'果実の軟化抑制
- カキ'西条'におけるストレス誘導エチレン生合成と果実軟化
- 成熟不全変異系統トマトにおけるエチレン生合成及び成熟関連遺伝子の発現解析
- 環状はく皮処理および反射マルチ敷設がカキ'刀根早生'果実の収穫後の軟化発生に及ぼす影響(収穫後の貯蔵・流通)
- カキ'刀根早生'促成栽培果実の収穫後の軟化発生
- カキ'刀根早生'促成栽培果実の収穫後の軟化発生
- カキ'刀根早生'促成栽培果実の収穫後の軟化発生
- バナナ果実からの ACC 合成酵素の抽出とその酵素特性
- 高濃度炭酸ガスと低濃度酸素条件が青果物の呼吸活性に及ぼす影響
- フィリピン産 `Latundan'バナナ(Musa AAB group)の追熱特性
- カキ果実の細胞壁分解酵素、セルラーゼ及びエクスパンシン遺伝子のクローニングとその発現解析
- キュウリ果実の ACC 合成酵素および ACC 酸化酵素 cDNA のクローニングと傷害とオーキシン処理による遺伝子発現
- 有孔ポリエチレン包装によるカキ'刀根早生'ハウス促成栽培果実の軟化抑制
- カキ果実の発育に関する研究 III : 同化物質の転流ならびに蓄積について(農学部門)
- キュウリの未熟果と成熟果の種々の組織における ACC 合成酵素および ACC 酸化酵素遺伝子の発現
- DNAマクロアレイを用いたナス科野菜における連続光応答関連遺伝子の探索
- キュウリ果実の水ストレス誘導ポリガラクツロナーゼ遺伝子の発現解析
- メロンおよびキュウリ成熟果におけるACC合成酵素遺伝子のプロモーター発現に及ぼすMCPの影響
- 園芸生産物の流通環境条件に関する生理学的考察
- チュウゴクナシ'鴨梨'果実の高濃度炭酸ガスおよび低濃度酸素環境に対する生理的反応
- チュウゴクナシ'鴨梨'果実の軟化と細胞壁多糖類およびその分解酵素活性
- 湿度条件に対する青果物の生理反応の類型
- 高濃度炭酸ガスがモモおよびトマト果実のエチレン生合成に及ぼす影響
- 高濃度炭酸ガス環境下での青果物の呼吸活性とエチレン生成-処理温度と炭酸ガス濃度の影響
- 種々の青果物における消滅点と限界酸素濃度
- 低湿による数種青果物の軟化と内生エチレンとの関係
- 湿度条件がバナナ果実の追熟特性に及ぼす影響
- 湿度条件がトマトとキュウリ果実の生理及び肉質に及ぼす影響
- 湿度環境がバナナ果実の追熟および肉質に及ぼす影響
- 水分損失ストレスに応答するキュウリのPG遺伝子断片のクローニングとその発現
- トマト果実のグルタミン酸蓄積とエチレンの関係
- バナナ果実の成熟に伴うACC合成酵素、ACC酸化酵素およびエチレンレセプタ遺伝子の発現
- 振動による箱内果実温度及び空気組成の変化
- ナス及びキュウリ果実の低温耐性に及ぼす栽培条件と収穫後のStepwise coolingの影響
- 遺伝子組み換え園芸作物開発の現状と技術的展望 : 21世紀の園芸学を考える Part 2
- 高炭酸ガス環境と果実・果菜類の成熟・老化
- 高濃度炭酸ガスおよび1-MCPによるモモ果実のエチレン生成の制御
- 青果物に対する高濃度二酸化炭素の作用性に関する研究
- 高濃度炭酸ガスが種々の青果物の呼吸活性に及ぼす影響
- 青果物の呼吸活性に及ぼすエチレンの作用力とその温度特性
- マイクロコンピュータ利用による青果物のO2吸収量, CO2排出量及びC2H4発生量の自動計測
- 灰色カビ病(Botrytis cinerea)感染ストレスに対する貯蔵トマト果実の生理的反応
- 青果物の温度変動許容度
- 数種野菜の低温障害発生に及ぼす温度変動の影響
- 振動が果実の呼吸生理に及ぼす影響 : I. 振動中および振動直後のトマト果実の呼吸強度の変化
- チュウゴクナシ鴨梨果実の低温障害発生と貯蔵性に及ぼす温度の影響
- チュウゴクナシ鴨梨果実の樹上および収穫後の成熟特性
- ナス果実の貯蔵前の水分減少が低温耐性に及ぼす影響
- フィリピン産‘Cavendish’バナナの樹上成熟特性と収穫熟度別の追熟特性
- 収穫後の湿度条件がキュウリ, ナスおよびピーマン果実のエチレン生成に及ぼす影響
- 振動が果実の呼吸生理に及ぼす影響 : II. トマト果実の追熟に対する振動の影響
- 低濃度酸素環境がモモとバナナ果実のエチレン生合成に及ぼす影響
- 種々の追熟条件下でのバナナ果実のエチレン生合成の誘導
- バナナ果実の成熟誘導に対するエチレン処理の時間, 濃度及び温度の関係
- 植物油とエタノ-ル処理によるイチジクおよびカキ果実のエチレン生成の誘導
- トマトの樹上成熟果実及び追熟果実の成熟様相と食味の比較
- 果実の微量エチレンの生合成
- 振動によるトマトとナシ果実の有機酸含量の変化
- 栽培中の土壌水分及び施肥量がナス果実の収穫後の低温耐性に及ぼす影響
- 振動による数種果実の呼吸強度の変化
- トマト果実の樹上成熟及び追熟中の遊離アミノ酸と可溶性ヌクレオチド含量の変化
- Effects of Humidity on Ethylene Biosynthesis of Cucumber, Eggplant and Green Pepper Fruits.
- ウメ果実の樹上及び収穫後の成熟
- The effect of fluctuating temperature on the quality of fruits and vegetables during low temperature storage:I.Changing rate in internal temperature of fruits and vegetables