バナナ果実からの ACC 合成酵素の抽出とその酵素特性
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概要
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ACC合成酵素の活性測定は, 果実の成熟エチレンの生合成機構の解明に不可欠である.しかしながら, バナナ果実では, ACC合成酵素活性の測定例は報告されていない.そこで, Badran・Jones (1965)が開発したPEG添加緩衡液とアセトン洗浄を組合せる抽出方法を試みたところ, 高い酵素活性が得られた.この方法を用いて, バナナ果実の成熟に伴うACC合成酵素活性の変化を測定したところ, エチレン生成の変化とよく一致していた.また, 酵素反応の最適pHは9.0, 基質SAMに対するKm値は88μM, ACC存在下での活性の半減期は18分を示した.これらの値は, 種々の植物組織で報告されている値の範囲内であった.これらの結果から, バナナ果実のACC合成酵素の抽出法としては, 果肉組織を液体窒素で凍結し, -80℃で貯蔵後にPEG添加緩衡液とともにワーリングブレンダーでホモゲナイズして, その後の精製過程でアセトン洗浄する方法が最も簡便で適切であると考えられた.
- 2000-11-15
著者
-
稲葉 昭次
岡山大学農学部
-
稲葉 昭次
岡山大院自然科学研究科
-
中野 龍平
岡山大学農学部
-
久保 康隆
岡山大学農学部
-
久保 康隆
岡山大院自然科学研究科
-
劉 学軍
岡山大院自然科学研究科
-
劉 学軍
岡山大学農学部
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