種々の追熟条件下でのバナナ果実のエチレン生合成の誘導
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概要
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バナナ果実の成熟開始時にみられる急激なC2H4生成の誘導機構を知るために, 減圧処理, 温度処理, ノルボルナジエン(NBD)処理, Mn処理及びC2H4処理により追熟速度を変えて, preclimacteric 期間中と初期のclimacteric rise 中のC2H4生成量, ACC含量, MACC含量及びEFE活性の変化様相を調べた.C2H4生成量とACC含量はいずれの成熟条件下でもpreclimacteric 段階では, 微量で(前者は約0.2nl/g•hr, 後者は約0.25nmol/g)ほとんど変化しなかったが, 成熟開始とともに急速に増加した. MACC含量は成熟開始後わずかに増加した. EFE活性はいずれの追熟条件下でも preclimacteric 期間中ほぼ直線的に増加し, 成熟開始直前に最大値となり, 成熟開始後は急激に減少した. C2H4の作用性の拮抗的抑制剤であるNBD処理と内生C2H4除去効果がみられるMn処理ならびに減圧処理を行うとEFE活性の増加が緩慢となり, 成熟開始日も遅延したが, 活性の最大値は無処理果実とあまり変わらなかった. 一方, C2H4処理によりEFE活性は急速に増加し, MTT(成熟誘導に必要な最少限のC2H4処理時間)時に最大値となり, その後は処理を続けても減少して, 24時間後にはほぼ処理前の値にまで低下した.以上のことから preclimacteric 期間中に存在する微量な内生C2H4がEFE活性の増加に密接に関係しており, EFE活性があるレベルに達すると急激なC2H4生成が誘発され, 成熟が開始するように思われた.
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