ホスファチジルエタノールアミンの存在下における飽和アルデヒドのアルドール縮合
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概要
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ホスファチジルエタノールアミン(以下PE)は,カルボニル化合物のアルドール縮合反応に対して触媒作用を有し,同反応により230mμ付近に極大吸収をもつα, β-不飽和カルボニル化合物が生成される.同反応は食肉の処理加工中におこり,褐変や風味生成挺関与していると考えられるので,反応の速度をしらべ,反応の機構の一端を明らかにしようとした.その結果,次のような知見が得られた. (1) PE触媒による飽和アルデヒドのアルドール縮合反応の速度は,次のような速度式によることが明らかとなった. Ra=k[PE][アルデヒド] Ra:アルドール縮合反応の速度, k:反応速度定数 (2) PE触媒による同縮合反応は,一種の平衡に達する反応であることが認められたが,この原因はPEの不活盤化によることが明らかにされた.また, PEの不活性化のおこる速度は, PE濃度に関して1次であると推定された. (3) 不活性化PEは, PEとアルデヒドの反応によって生成することが明らかとなり,同物質を分離したところ, 280mμ付近に極大吸収をもつ化合物であることが明らかとなった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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